1966年の地元開催でのW杯以降、主要大会での優勝は1つもないイングランド。
世界最高のリーグと言われるプレミアリーグを持つサッカーの母国も、
代表での実績は寂しい結果となっている。
欧州5大リーグをもつ国の代表戦績
実際に、欧州5大リーグをもつ代表チームの
直近20年のW杯と欧州選手権の結果は下記の通りである。

この20年で、イタリア、ドイツ、スペイン、フランスはW杯を優勝しており、
さらにベスト4に進出した大会は3つ以上の実績がある。
イングランドに関しては、2018年ロシアW杯のベスト4が最高順位となっている。
しかし、サッカージャーナリストやメディア界隈では、
これからイングランドの黄金世代が来るのではないかと広く議論されている。
それは、若手世代の活躍である。
2017年、イングランドは各年代の主要大会において次々と優勝という結果を残した。
欧州選手権 U-17 準優勝
FIFA W杯 U-17 優勝
欧州選手権 U-19 優勝
FIFA W杯 U-20 優勝
トゥーロン国際大会(主に18歳以下で出場した)優勝
イングランドDNAとセント・ジョージズ・パーク
なぜこれだけの結果を出せたのか、、
その背景が、
2012年のセント・ジョージズ・パーク・国立フットボールセンターの完成である。
そしてその考えの元となっているのが『イングランドDNA』である。
上記の表のとおり、欧州主要国との差は明らかで、
その差を縮めるために国をあげて改革に乗り出した。
“世界レベルのサッカー選手と指導者を育てる国際的なサッカー教育の場”
を作ったのである。
そして、ついにロシアW杯ベスト4という、この20年で最高順位を記録した。
しかもメンバーの平均年齢は26歳と出場32か国の中で2番目に若いチームであり
さらなる成熟と完成されたチームになる事が期待されている。
イングランドの国としての育成方針が変わり、
サッカーメソッド・サッカー環境がとても充実されてきた。
そしてその育成方針は各世代のTOPチームだけでなく
アカデミー世代や下部リーグの地元チームにも広がっている。
優秀な指導者の育成とサッカー環境が整っただけでなく、
優秀な指導者が下部の地域リーグや地元チームの監督やコーチを
兼任するようになってきているのである。
これは下部リーグのチームにとってはとてもありがたい事である。
サッカー留学で経験したイングランドDNA
実際に筆者がサッカー留学をした約10年前に所属していたチームのユース世代のコーチには、
当時、イングランド代表のU-15,U-17,U-19,U-20のアシスタントコーチ、
さらにイングランド女子代表のヘッドコーチも兼任している方が来ており、
現アメリカのU-15代表のヘッドコーチを努める国際レベルの指導者であった。
練習方法も幅広く、日本では見たことのないようなトレーニングが多かった。
とんでもなく走らされた思い出もあるが。。w
実際に、下部リーグから数年でプレミアリーグのクラブと契約するような
事例も多く出て来ているが、それは、下部リーグや下部組織に所属している時から
ハイレベルな指導を受け、その延長線上にトップクラブがあるからに違いない。
バーディー(レスター・シティFC)のシンデレラストーリーも、
このような緻密な育成計画の賜物なのかもしれない。
下部リーグまで一貫したハイレベルな指導が浸透し、選手としての才能の花が咲き、
トップに昇格した時も不自由なく練習や試合に溶け込むことができるようになったのである。
まさにこれがイングランドDNAである。
昨年の各育成年代の優勝とロシアW杯ベスト4の実績が
今後さらなる飛躍に繋がるのか、、
そして2022年カタールW杯にて悲願の優勝を果たせるのか、、
今から楽しみで仕方がない!!