始動したイングランドフットサル強化戦略 ~『5年計画』と新リーグ『National Futsal Series』~

イングランドで2019-20シーズンからスタートした、『National Futsal Series
日本ではほとんど知られていないこの大会は、イングランドのフットサルリーグのトップに位置づけられるリーグで、今シーズンからスタートした。
このリーグの設立は、2018年に発表されたイングランドフットサル全体の強化を図る戦略の一部であり、2024年までの5年計画で実行される。

フットサル イングランド代表

イングランドのフットサル(フットサル イングランド代表)はどれぐらいのレベルなのか。
実はFIFAランキングは日本よりもはるかに下で、なんと59位(2020年3月)まで下がる。
1位:ブラジル
2位:スペイン
3位:アルゼンチン
16位の日本からも大きく差をつけられている。
そのため、『FIFAフットサルワールドカップ』だけでなく、『UEFAフットサル欧州選手権』にも過去一度も出場したことはない。
※『FIFAフットサルワールドカップ』  『UEFAフットサル欧州選手権』

イングランドと聞いて「フットサル」を思い浮かべる人はほとんどいない。イングランドサッカーのイメージでさえ、未だに「キックアンドラッシュ」を想像される方も多くいる。テクニックがある選手や高度な戦術を操る監督をイメージする方が正直難しいだろう。

しかし、各国でフットサルから多くのサッカー選手が輩出されている事や、UEFAのフットサルに対するコンペティションへの強化、そして(今更ではあるが)、雨や霜による冬場のグラウンドトレーニングが困難であることから、イングランド国内でもフットサルに対する考えが変わってきた。これらが新リーグ創設の背景である。

『National Futsal Series』

National Futsal Series – Competitions | The Football Association

リーグについて

イングランドフットサルリーグのピラミッドの中で、トップに位置付けられているのが、『National Futsal Series』で、Tier1(1部)とTier2(2部)の2部制になっている。
Tier2はNorth(北部)とSouth(南部)の2つに分けられる。
Tier1と2を合わせて全25チームが所属している。
Tier1の優勝クラブは『UEFA フットサル チャンピオンズリーグ』への出場権を獲得できる。

※2022-23シーズンからTier2に中部(Midlands/South West)が新設され、Tier1が8チーム、Tier2の北部が8チーム、中部が8チーム、南部が7チームと併せて31チームに増加された。

『昇格』と『降格』

Tier1とTier2の昇格・降格はあるが、Tier3との昇降格はない。

『National Futsal League』(3部)で活躍する日本人

Tier3(3部)の『National Futsal League』は、
・Premiership North
・Premiership South
・Championship North
・Championship Midlands
・Championship South
の5つのリーグに分けられており、Premiership Southの「London International Futsal Club」には日本人プレーヤーが所属している。

The FA Futsal Strategy 2018-2024

【5年計画(2024年まで)の概要】

1.Participation

競技人口を15万人に増やす

2.Workforce

FA Level2とUefaBのライセンス保有の指導者を1.5万人に増やす(現在900人)

3.Facilities

全てのFA(各州のサッカー協会)にフットサルの繋がりを持たせ、フットサルの環境を整備する

4.International

・男子 フットサル イングランド代表のFIFAランキングを20位以内にあげる

・女子 フットサル イングランド代表の招集・強化

まとめ

これまで国内ではスポットライトを浴びてこなかったイングランドフットサルもこの5年計画により一気に力をつける事は間違いないと思います。
St. Georges Parkの建設計画以降のアカデミー・ユース世代の育成や女子サッカーへの投資を見てみると、2024年以降の構想にはフットサルのプロリーグ化が入っていてもおかしくはないです。
※「イングランド育成年代について
イングランド女子サッカーについて

実際に男子サッカーは各世代別のW杯を優勝し、女子イングランド代表も2018年にはFIFAランキングで2位まで上がり、国内リーグのプロ化にも成功している。

各協会、各クラブ、スポンサーが一体となったイングランドの戦略には確固たる実績がありフットサルにおいても必ず成功してくれるに違いない。