The FA Mentoring Course ~指導者の指導~

FAの指導者ライセンスに関しては、サッカー・ゴールキーパー・フットサル・スカウトなど、これまでにもいくつかまとめてきましたが、今回は『ライセンス』ではないもののイングランドサッカー協会が開催しているプログラムの一つ、『Mentoring Course(メンタリング研修)』を紹介します。
※過去のFAライセンス関連の記事は一番下にまとめてあります。

これは指導者のレベルアップを計るためにFAが開催しているプログラムです。
※よく誤解されますが、ここでいうメンタリング(Mentoring)とは、助言や指導などを意味し、日本語でよく使われる、精神面・心理面のメンタル(Mental)ではないのでご注意ください。

The FA Coach Mentor Programme

FA Coach Mentor Programme

FA Coach Mentor Programme – Middlesex FA

こちらはグラスルーツ(お父さんコーチ)の指導初心者向けのプログラムです。

初めて指導をする方や、指導初心者でどのように指導をしていいか分からずに悩んでるコーチに対して、自信を持たせることが目的です。

このプログラムをスタートして5年で、40,000人を超えるコーチを指導しています。
男性の指導者や男子サッカーの指導だけでなく、女子サッカーや障がい者サッカーのコーチ、BAME(黒人・アジア人・少数民族)のコーチに対しての指導も行われています。

【参加費用】
無料

【内容】
・1 to 1のサポート
・個別の指導方法作成
・指導者一人一人の分析とフィードバック
・試合の視察とサポート
・指導のデモンストレーション
・クラブ哲学を浸透させるサポート

【申込方法】
所属する地域のサッカー協会の担当にメールするだけ(アドレスと担当はHPに記載あり)で、簡単に申し込む事ができます。

このメンター(指導者の指導者)の募集も随時行われ、メンターになるには、FAサッカー指導者ライセンス レベル2以上の保有が必要となっています。

現在この活動はさらに広がりをみせ、プログラムを開催する協会が続々と増えています。

The FA Developing Coaches Through Mentoring Course

FA Developing Coaches Through Mentoring Course

こちらは初心者よりはもう少し上級者向け(D級、C級コーチぐらい)のコースになります。

選手とのコミュニケーションの構築やトレーニング作成、戦術理解などの観点からより具体的に指導方法を深めるのが目的です。また、先ほど紹介した「メンター(指導者の指導者)」になりたいコーチも受講されます。

【参加費用】
£10

【コース時間】
6時間

【対象年齢】
16歳以上

【申し込み方法】
上記のサイトから受講可能な日時が発表されるのでそこから参加申込と支払い。

講習内容とメンタリングコースの雰囲気

2018年にスタッフが受講した際の講習会の内容や雰囲気を簡単に説明します。

講習会は基本的に講義とディベート形式で構成されています。

【声掛けのテーマ】

上の写真は声掛けをテーマにした内容で、たとえば『why(なぜ)?』と聞きたいところを『for what purpose(何の目的で)?』と少し言葉を変える事により、受け手の印象が変わります。
その後の会話を円滑にするため、また選手や子供たちがコーチに恐怖心を持たないようにする工夫が必要です。

子供たちがミスをした時に、そして彼らがそのミスに気が付いている時に、
『Why』と聞くと、それは原因の究明であり、『過去の分析』をさせることになります。
その結果、多くの子供たちが叱られていると思い、一言目に「ごめんなさい。」と言います。

『for What purpose』と聞くと、どのようにプレーしたかったか、『未来のイメージ』を聞き出すことになります。
ミスをしてしまったけど、「こういうプレーがしたかったんだ」と言えるか言えないかでその子とコーチの関係性は変わり、子供の成長にも大きく影響していきます。

コース内容は随時アップデートされており、最近のテキストはこんな感じです↓

まとめ

FAのサッカー指導者ライセンス講習もそうですが、イングランドでは一貫して選手(特にキッズ)とのコミュニケーションに重きを置いています。過去に説明した『Safeguarding Children』や『Talent ID』などのコースもそうですが、特にキッズに対する指導は至る所で研究がされ、常に新しい指導メソッドがアップデートされています。
最近では子供たちのヘディングに関する新しいルールも作られました。

優秀な選手は優秀な指導者がいてこそ育つことを前提に、指導者の指導にもこうして力を入れているため、グラスルーツや地域のサッカーチームの練習や試合を観ていても、チームの戦術を理解しつつ、楽しくプレーをしている印象が大きいです。

日本の少年サッカーを否定するわけではないですが、お団子サッカーや怒鳴り散らすコーチを見る数はイングランドの方が圧倒的に少ないのが現実です。

イングランドサッカー協会の指導者ライセンスについて、各コースの内容は下記をご確認ください。


イングランドサッカー協会主催の各ライセンスの取得、講習会の参加を考えられている方は、

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